
2025年09月08日
白鬚神社で観光を考える
近年、滋賀県の白鬚神社は琵琶湖に浮かぶ鳥居が「近江の厳島」として脚光を浴び、観光客が急増しています。しかし、その裏で深刻な観光公害が発生しています。絶景を求めて危険な道路横断が多発し、死亡事故まで発生。結果として、安全対策のために展望デッキが設置され、湖畔への立ち入りを制限する柵が設けられる事態となりました。
また、厳島神社のようなスケール感を期待して訪れた観光客の中には、そのギャップに「がっかり」する声も少なくありません。まるで静岡の富士山を望むコンビニエンスストア周辺の状況にも似て、地域の魅力が観光客の行動によって損なわれ、本来の神社の持つ神聖さや静けさが失われつつあります。観光がもたらす経済効果だけでなく、地域社会への負の影響にも目を向け、持続可能な観光のあり方を考える時期に来ています。

不適切な内容や規約違反を発見した場合はご報告ください