三上山の山野草「みやまうずら」
2014年09月10日

三上山の山野草「みやまうずら」

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nonio

• 野洲市

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 9月になった。例年、まだまだ残暑が厳しい。今年は太平洋高気圧が弱く、爽やかなぐらい涼しい。暑さを倍増させるクマゼミは、既に鳴止み、涼やかなヒグラシの鳴き声が三上全山にこだましていた。山野草”みやまうずら”を探しにやってきた。

 過日、希望が丘ボランティア会合の席にて、山野草談義になった。そんな中、「いま、三上山の頂上付近で”みやまうずら”が咲いている」との話になった。私にとっては初めて聴く草名。耳をそばたてた。

 みやまとは深山のことらしい。この花は山の奥深い処に咲くように思えたが、里山で見かけるらしい。発見された時は深山だったので、そう呼ばれるようになったのであろうと勝手に思いめぐらした。ウズラは鳥の鶉のことで、 ミヤマウズラ(深山鶉)と言う山野草である。 
 さて、名前が分かったが、探すとなれば、これが難しい。私は、どうしても、この山野草に出合いたいので、「私が探し求めている希望が丘周辺に生息している№20番目の山野草になりそう」などと、口をはさんだ。その結果、Kさんが快く案内をかってもらった。 最近購入したマクロレンズを装着した写真機を持参して、約束時間に間に合うように三上山の駐車場へ出向いた。

 若いKさん、足が早い。岩場をひょいひょいと登って行った。ついていくのが精一杯。

 頂上付近の尾根筋の林床に、可憐な姿があった。 一目見て、蘭科の種類と思った。秋咲きの植物は通常、夏の高温が過ぎ、気温が下がり始めると開花すると言われている。今年の異常気象から「熱い夏の峠は越した」と、勘違いして早くも咲き始めたのであろうか。

三上山頂上付近で咲く「みやまうずら」 

 葉は卵形で、葉面に白い斑が入っており、特徴的であった。 この山野草の葉っぱの模様が、ウズラの羽の白っぽい太い縦模様(頭央線)と細い横模様(眉斑)に似かよっているとのことが、名前の由来のようだ。 言われれば模様は何と無く似ているように思えるが、ウズラの羽は褐色、少し無理気味の命名だ。

 後日、再び赴き、手ぶれを防ぐための三脚をセットして写真を撮っていると、たまたま2人連れのおばさんが話しかけてきた。この場所に咲いている”みやまうずら”を長年見守り続けてきたようである。
「淡褐色の葉っぱは、昨年のものです。若々しい緑色は今年育ってきたの」と教えてくれた。

「三上山の登山路の脇に咲くので、気が気でないの。葉っぱの模様の入り方の違いの園芸品種を栽培される方もおられるので・・・・・」と、盗掘を心配されていた。 「以前はかなり見かけたが、最近少なくなった」と嘆いておられた。

 この場所の長居は、まずいので早々に立ち去った。

「みやまうずら」の特徴ある葉っぱ

 少しアップで迫ると花の色が真っ白に見えたが、薄い紅色をしていた。何かに似ているようであり、何だかおどけたように見えた。いずれにしても、可愛らしい。

「みやまうずら」の花びらのクローズアップ

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