湖北の清滝山
日付: 2015年6月7日
山名: 清滝山 439m
コースタイム:柏原駅 10:30 徳源院(登山口)10:50
清滝山頂上11:40~12:30 清滝集落 13:10
この山は、湖北の伊吹山と霊仙山の間にある標高439mの低山である。
JR柏原駅を出発して、線路沿いの道路を通過し、小川に沿いの徳源院の参道を進んでいくと、これから登る清滝山が眺められた。13時10分には、戻ってこられる手軽な山であった。
徳源院の参道から清滝山が一望

清滝神社脇の林道にある登山口には、「毎年8月14日、15日には、大松明行事が執り行われ、女性の入山を禁止」の表示板があった。
かつて滋賀県では、 比叡山が古くから山岳信仰の聖地とされ、 女人の立ち入りが出来るところに結界門が設けられていた。今ではその痕跡はあるが、誰もが自由自在に行き来している。このように一時であっても、いまだに女人禁制を行なっているところは、珍しい。
男性を重くみて、女性を軽んじる男尊女卑を肯定する風習がまだ根づいている場所柄であるように思えるのだが、そんなに深い意味もなく、ただ言い伝えられてきた風習として現在でも息づいているのであろうか。議論を呼ぶところだ。
頂上には、大きな穴が掘られ燃えカスがあった。清滝大松明は、精霊を迎えるために直径1mもある大松明を男だけで担ぎ上げ、点火されているようだ。
大松明行事の際女性の入山を禁止の立札

かなりの急斜面を登りきり、 稜線の坂道をたどると頂上に着いた。頂上にはNHK、BBC(びわ湖放送)の中継所とアンテナが設置されていた。 小奇麗に清掃された頂上からの展望は素晴らしく、北は伊吹山、南に霊仙山が望むことができた。伊吹山の頂上は雲に覆われていたが、霊仙山の頂上の避難小屋まで、双眼鏡で確認できた。
北の方向には百名山の伊吹山

南の方向に鈴鹿山脈の最北に位置する霊仙山

下山ルートは東の尾根筋を辿り、麓の清滝集落へ戻ってきた。
解散後、柏原宿の中山道を散策した。一つの文字「艾」を目にした。
この漢字、聞かれても分からなかったが、仲間のひとりが、「もぐさ」と言い当て、以前訪れたことを思い出した。
私と妻は、何の予備知識もなくぶらっと柏原の街道を訪れたことがあった。
由緒ありそうな店のガラス越しに、5~7名程度の人達が気ぜわしく何か作業をしていた。近くの古老がおられたので聞くと、
「もぐさ仕込みだ」と答えた。 私も子供の頃、お灸をされたことがあったので、
「もぐさとは、やいと用の…」と聞き返すと、
「そうだ」
「伊吹山一帯はもぐさの原料となる“よもぎ”が取れ、江戸時代の旅人にとっては、疲れを取るための“灸”は必需品だった」と答えた。
後で知ったのだが、この店が、安藤広重が浮世絵に描いた老舗”亀屋佐京もぐさ店であった。
今なお、もぐさを生業としている宿場町に深く郷愁を感じたことがあった。
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