2010年02月16日
小沢・朝青龍・トヨタと坊っちゃん(夏目漱石 )
最近の世の中、少し狂っている。限りなく灰色であるに拘わらず小沢氏に対して東京地検特捜部の「不起訴」を国民は納得できるでしょうか。相撲界の親方達の判断でやっと朝青龍を引きずり降ろしたが、遅しに失している。そしてトヨタの対応然り。
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐって刑事告発されていた民主党の小沢一郎幹事長について、東京地検特捜部は不起訴処分とすることを決めた。「検察では、証拠をある程度、得ているけれども、起訴して有罪を獲得するだけのものはないという判断らしい」。 横綱は強ければ良いというものではなく、人間として”品格”が無ければならない。師匠の高砂親方(元大関・朝潮)と共に、何度も厳重注意を受けてきた朝青龍。横綱をここまで増長させたのは、財団法人日本相撲協会の最高議決機関である理事会の判断の遅れにあると思うのだが…。 昨年日本で生産されたハイブリッド車の新型プリウスをめぐる不具合が発覚した。米運輸安全当局の忠告でリコールに踏み切るまで、時間がかかりすぎた。後手後手で対応が遅れたトヨタの姿勢にはあきれるばかりだ。対策の遅れが、かえって米政府や消費者の不信や不安を増大させたといえよう。
最近のニュースは、兎に角歯がゆい。

夏目漱石の「坊ちゃん」と言えば、永く親しまれている日本文学の最高傑作の一つである。「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている」から始まる。この小説は、誰もが一度、この作品に触れた事があるだろう。
「坊ちゃん」が松山に教師として赴任し、紆余曲折の末「赤シャツ」と「のだ」に天誅を下すという勧善懲悪の痛快な物語・・・。
小説「坊っちゃん」をいまさらと思うが、漱石の独特なリズムとテンポに満ちた文体は魅力的である。小気味よく書きつづった正義感の強い「坊っちゃん」を通読して、爽やか感を得る事ができ、最近の「もやもや感」が少し解消。
だが、小説は「赤シャツ達に鉄槌を下したが、坊っちゃんと嵐山は中学校を去ることになる」で終わっている。主人公は東京に帰っている。したがって、小説には書かれていないが、赤シャツ達はそのまま中学校を支配下におさめ続けるだろう。
漱石は、何を言いたいのであろうか。世の中に巧く立ち周りあくどいものがのさばる。これが世の常と言いたいのであろうか。ここが妙に気になった。
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