政府・自治体の情報信頼してない
先日、ラジオを聴いていると、「野村総合研究が、震災関連の情報を入手するに当たって、どのようなメディア（情報源）を重視したのか」との聞き取り調査が行われたようだ。
「テレビ放送（NHK）」で、「テレビ放送（民法）」「インターネットのポータルサイト」が続き、「新聞」は4位となった。
当然予想される結果であるが、やはり、このような災害時にはNHKテレビ放送が強いことが、改めて確認された。また、Yahoo!・Googleなどのインターネットが、情報発信ツールとして威力を発揮し、その存在感が増してきているようだ。
人気を集めているのは、被災者の安否情報確認サイトがある。グーグル社がNHKと提携して行っているパーソンファインダー（消息情報）が直ちに立ち上げられ、探したい名前を住所と一緒に入力すると、家族や被災者の安否を瞬時に確認できるものである。また、株式会社野村総合研究所（NRI）は、「被災地の声 分析レポート」のウェブサービスを公開した。岩手・宮城・福島の3県から発信される支援要請に関するツイートをほぼリアルタイムに取得し、必要とされている物資の種類別の傾向をグラフ化される。
また、テレビやラジオによる被害状況が報道されているが、それよりも大分早くFacebookやTwitterというソーシャルメディアから情報が得られたようだ。ツイッターでは、地震発生後、“prayforjapan”（日本のために祈ろう）というハッシュタグが生まれ、地震発生直後から、ものすごいメッセージが英語、フランス語、スペイン語、韓国語、アラビア語など様々な言語で途切れることなく寄せられたとも言われている。
今や、情報の流れは、変わりつつある。
面白い問として、『東北地方太平洋沖地震に関する情報に接して、様々なメディアや情報発信主体に対する信頼度の変化（「上がった」、「下がった」、「変わらない」、「わからない」から一つを選択）を尋ねた』ところ、「信頼度が上がった」との回答が最も多かったのがNHKで、28.8％の人が「信頼度が増した」と答えています。それに続くのが、「ポータルサイトの情報（17.5％）」、「ソーシャルメディアで個人が発する情報（13.4％）」でした。
一方、「政府・自治体の情報」に対しては、「信頼度が低下した」と答えた人が断トツの28.9％に達していた。
これは由々しき問題である。
震災発生後、NHKの情報に対する信頼度が上昇する一方で、政府・自治体が発信する情報は当てにできないようになっている。 政府・自治体から正確で素早い情報公開が必要なのだが、今や、半信半疑で聴いている人達が多くなっているようだ。検証してみよう。
３月２５日、枝野官房長官は「20km～30km圏内の住民の自主避難を積極的に促すように関係市町村の指示した」というのである。その理由が「物資が届かない状況を踏まえた柔軟な対応は国としても積極的に指示する」と言うから信用ならない。判断を住民に任せ責任逃れをした。
更に、ＳＰＥＥＤＩ（緊急時迅速放射能影響予測）で風向きや風速のデータを加えて計算されているにも拘らず、一律に同心円を設定した。が、４０kmにある飯館村が高濃度汚染地区になり、妊婦・乳幼児を村外に避難の後追い処置、野菜や牛乳の出荷停止（３回続けて基準値以下なら停止解除）、更に魚の基準値がなかったので野菜の基準値を横滑りなど、泥縄式に対応をしてきた。国民に心配をかけたくないとの配慮から正直に語らず、都合の悪いことを小出しにしたため、辻褄が合わなくなってきた。また、放射能汚水を漁業関係者・近隣国に事前連絡もなく海洋投棄など問題を挙げるときりがない。
もっと悪いのは、保安院の説明だ。現在、事務系の西山秀彦審議官が説明を行っているが、技術キャリアである中村審議官は、３月１２日、震災翌日の会見で、検出された放射性物質から、「（1号機の）炉心の中の燃料が溶けているとみてよい」と炉心溶融の可能性に言及した。この技術屋らしい発言に、「国民に不安を与えた」と問題視され、中村氏から西山秀彦審議官に代わった。
その後、４月１８日の記者会見で、保安院の西山英彦審議官は、１～３号機の核燃料が「溶融していると思われる」と述べた。今になって、こんなこと”しゃしゃ”と、口が裂けてもメルトダウンとは言えないはずなのに。要するに政府は、メルトダウンの可能性を知っていたにも拘らず否定し続けた。国民に対して余りにも不誠実である。誰が更迭したのか知らないが、許せない。
兎に角、国民から信頼されるためには、彼等は正直になってもらわなければ、日本人いや世界から馬鹿にされる。
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