NPO法人の信頼度 2013/08/06
2013年08月06日

NPO法人の信頼度 2013/08/06

しがNPOセンター

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• 近江八幡市

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 阿部コラム、第4回はNPO法人の社会的な立ち位置についてがテーマです。
 現在、しがNPOセンターでは「NPOアップデート講座」を連続開催中。
 第一回は法規の話で、このテーマに関連した内容でした。

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          しがNPOセンター  代表理事 阿部圭宏

 特定非営利促進法(いわゆる「NPO法」)が施行される以前は、NPO(特に市民活動団体)が法人格を取得するのは至難の業であった。それが今やNPO法人という言葉は社会性を持ち、NPOやNPO法人に直接関係しない市民にも広く知られるようになった。


 日本国憲法では、結社の自由が保障されており、自由に団体、グループを誰でもつくることができる。しかし、その団体に法人格を付与するかしないかは国の政策の問題であり、民法では、法人になるにはそのための法律が必要と規定(これを法人法定主義と呼ぶ。)されている。市民活動団体はNPO法ができてはじめて法人格取得に向き合えることができた。


 では、そもそも法人って何か。法人は、法律上の人であり、権利義務の主体になれることを指す。法人になることで、契約や資産の所有ができるようになり、団体の外形を整えられることになる。
 NPO法人は、所轄庁へ書類申請し、その書類の要件が整っていれば認証される。認証は行政処分の中で、許可や認可のような行政関与が強いものではなく、書類上の要件が整っていればよく、宗教法人と同じ仕組みだが、宗教法人の場合は宗教活動の実績が問われるのに対し、NPO法人は活動の実績も問われないという代物なのだ。


 ということは、単に認証という仕組みからして、これだけをもってNPO法人はすばらしいもので、信頼をおけるという評価はできないということだ。NPO法では、NPOに対する信頼度を法が義務付けている情報公開の仕組み(所轄庁への事業報告書等の提出義務など)によって担保しようとしている。NPO法人は、こうした報告義務以外に、自身のホームページや日本財団が運営しているCANPANを利用するなど、情報を積極的に公開することによって信頼度を高める努力をしているとろこが結構ある。


 少なくとも、このような外部に対して自分たちを開こうとする姿勢が大切なのである。NPO法人だから行政から信頼を得て補助金や委託事業が獲得できるとか思ってNPO法人になった団体もあると聞く。一方、行政もNPO法人格を持っていることを唯一の要件にして企画コンペを行うこともある。これらは、まさにNPO法人制度に対する誤解の結果と言える。


 滋賀県は昨年12月に「特定非営利活動促進法に基づく処分に関する事務処理要綱」を定め、NPO法人をある意味取り締まろうとしている。法に規定する義務を履行しないNPO法人が悪いのは当然だが、法律の趣旨は行政の関与度を減らして市民による監視をしていこうという仕組みだったはずである。自ら信頼度を高める努力をしないNPO法人は淘汰されてしかるべきだが、所轄庁によって処分されるのではなく、自らの手でけじめをつけてもらいたいものだ。


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