七変化のアジサイあれこれ
2017年06月25日

七変化のアジサイあれこれ

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nonio

• 野洲市

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 2017年6月7日 近畿地方の梅雨入りが宣言された。だけど、空からは一滴の水滴すら落ちてこない日々。カエルが「雨、降れ降れ」とケッケッケッケッの鳴き声すらしなくなって久しい。

確かに、暖かい空気、冷たい空気のかたまりがぶつかっている境目が、日本列島の南の海上にできていることからして、海には雨が降っているのであろう。

でも、日本列島に降らない梅雨入りは、「梅雨入り」と言うのだろうかと陰口を叩いたら、土砂降りとなった。

 この時期の花はやっぱり、アジサイだ。

我が家の小さな庭にも咲いている。毎年咲くのだが、庭の片隅で申し訳なさそうに。昨年、家庭菜園用のぼかし肥を作った際、アジサイの根元に残ったものをやったのか、大きな花を幾つも付けた。

 今迄、気づかなかったのだが、アジサイのイメージの形は、四角いものであり、丸いものではなかった。

 山で出会う野生のアジサイの花の付き方は、中央に小さい花が密集しており、この花を引き立つように周辺に4弁の花が飾りたてている。まるで、辺りと視覚的に切り離しをする額縁を取り付けたようなつくりになっている。だから、”ガクアジサイ”と呼ばれている。

この四角い形は、花と昆虫の関係にとって、気の遠くなるほど長い年月をかけて築きあげたてきた姿である。

 でも、我々が日頃、目にするアジサイは丸いものである。江戸時代後期に広まった品種である。ガクアジサイの変わり物だが、あじさいと言えば、この丸い花を指すようになった。

人間の好みによって、自然界で培われてきた形が四角から丸に激変したのだ。

 アジサイには「七変化」という異名がある。つぼみのころから咲き終わるまでに、淡緑色から白・藍・淡紅色と変わるので、この名がある。

同時に、花名も紆余曲折してきた。

 古くは、本物の藍で染めたような色の花がたくさん集まって咲くという意味で「集(アズ)真(サ)藍(アイ)」が語源のようだ。”安治佐為”・”集真藍”・味狭藍”とも表記。

平安時代中期に、「紫陽花」が日本の書物に登場した。中国の似た花の”紫陽花”の文字を当てしまいこの字になった。「紫陽花」という文字が美しく、あじさいのイメージにぴったりなため、定着してしまった。学者たちの異論もあるが、今さら、改名することもあるまい。

  今では、日本各所のアジサイ寺で大事に育てられている。が、化花 幽霊花と忌嫌われたり、反面門守りにして厄を除ける風習やお金が貯まるという俗信もあり、気の毒なぐらいややこしい扱いをされてきた。

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