2016年02月03日

選挙制度

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• 近江八幡市

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           しがNPOセンター 代表理事
                                 阿部圭宏

 大津市長選が終わった。投票率を見ると47.97%で、過去5回の選挙の中では最も高い数字となったものの、5割に満たないという何とも情けない状況だ。最近の大津市での投票率を見てみると、昨年の大津市議選の投票率は45.0%、県議選では44.8%と低調が続く。その前の衆議院選では53.88%と5割を何とか超えた。

 衆議院選の場合は、小選挙区比例代表並立制がとられていて、地方選と比べると特殊ではあるものの、政党間の政策の違いが出て争点が分かりやすく、有権者の関心を引きやすいと言えるので、投票率は、まだ高めに推移している。

 では、地方選の場合はどうか。首長選であっても、多くの場合、選挙が争点化されにくく、また、選挙期間が短いこともあって、投票率が低いことが多い。マスコミも選挙期間になってやっと報道することが多く、しかも新聞の地方版か地方紙が取り上げるだけで、テレビやラジオでの選挙報道はほとんど行われていないとも言える。それに加え、よくあるパターンが「特に争点はない」という報道である。少なくともこうした報道がなされるだけで、選挙に対する有権者の関心は確実に低くなる。

 それでも市長選の場合は、1人を選ぶものなので有権者から見て分かりやすいが、深刻なのは議員選挙である。県議の大津市選挙区では定数が10人なので、これは何とか選べそうな人数だが、大津市議選に至っては、議員定数38人で、しかも候補者数は50人にもなった。立候補者の掲示板を見ても、選挙公報を見ても判断できるはずもなく、選挙に行こうと呼びかける選挙管理員会の広報車がむなしく感じたのは筆者だけではないだろう。

 選挙は、本来、候補者の選挙公約にその人となりを加えて、比較考量しながら有権者がじっくりと判断すべきものと思う。ということからすれば、公職選挙法があまりにも規制をしすぎていて、有権者の選択の判断に貢献していないでなく、選挙の面白さ自体も失わせていると言えるだろう。

 まずは、選挙活動の制限をなくすとともに、選挙期間の延長を図ることが必要だ。選挙活動の制限は、金をかけないためだと言われているが、お金をかけないでも、立会演説会の復活、戸別訪問の解禁など、取り組めることが多くある。もう一つ、選挙期間であるが、知事選は17日間あるものの、県議選は9日間、大津市長選・大津市議選は7日間と短い。もっと選挙期間を延ばして、候補者が政策を戦わせるようにすれば、有権者の関心は確実に高まるだろう。

 さらに大切なことは、地方議会の選挙制度改革である。少なくとも、先ほどの大津市の事例を出すまでもなく、有効な制度改正を望みたい。衆議院や参議院の選挙制度改革は、国会自らが担っているが、地方議会の選挙制度改正に国会議員が熱心だと聞いたことがない。地方を大切にしない国会議員には困ったものだが、このような制度に地方議員が満足しているようでは地方の未来はない。地方から選挙制度改正のムーブメントを起こせないだろうか。

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