気になる安土町行く末
8月8日、安土ウォーキングを行った。このルート上に安土町役場があった。この時、二つの垂れ幕が正面玄関に吊るされていた。ひとつは、津村孝司・安土町長のリコール(解職請求)の是非を問う住民投票日、ひとつは、近江八幡市と安土町の「近江八幡市」の誕生日であった。この取り合わせの悪い表示を見て、小生、安土町の行く末を案じ興味を持ってしまった。 →安土町長リコール選挙
この町は、近江八幡市と間で合併調印と手続きを進め、新市へ来年3月21日移行を決めていた。ところが、織田信長ゆかりの「安土」の名が消えていくことに危機感を持ったのか、安土町長のリコールが8月23日、成立した。
10月4日、出直し町長選は、住民団体「急ぐな合併・守ろう安土みんなの会」代表の大林宏氏が初当選し、「ごり押しで進められた合併は認められない」として単独町政を望む住民の支持を得た。早速、新安土町長は、「公約通り、合併の是非を問う住民投票を速やかかに実施したい」と語気を強めた。
ところで、合併阻止への道のりは、困難で、大きな混乱も予想される。
最大の問題は、町議会との「ねじれ」である。合併推進派の町議が多数占めているためである。この合併の賛否を問う住民投票条例に賛成する可能性は極めて低い。一方、住民団体は、反対する議会に対してもリコールも辞さないとの構えで、再び町は混乱しそうだ。
このような中、10月19日、第6回近江八幡市と安土町の合併法定協議会が開かれた。安土大林町長は「総務省告示がされている以上、合併協議会には参加させていただく」としたうえで「住民投票を実施し、住民の民意をまとめていきたい」と語った。ところが、事務局側が市役所と町役場に設置するカウンタトダウンボードや公用車に張るPR用マグネットなどの予算を提案。同町長は、反対したが、賛成多数で採決された。どんどん小競り合いが起こっているようだ。
あの垂れ幕が気になったので、再び、10月25日安土町役場に行って見ると、やはり住民の意思を尊重したのか、近江八幡市と安土町の合併に関する垂れ幕は外されて”すっきり”していた。次に相手側の近江八幡市役所を覗いてみると、垂れ幕が堂々とかけてあった。この写真の落差がすべてを物語っていた。
尚、安土町役場の正門には、今話題の安土城建設に迫る歴史ドラマを西田敏行主演で映画化された「火天の城」ののぼりが立っていたが、どう言う意味なのか…。
今後、近江八幡市と合併し苦しい財政を切り抜いていくのか、将来、禍根を残さない単独町政を目指すのか、それとも、新市発足後「分立」するのか見守っていきたい。
8月8日安土町役場垂れ幕

10月25日安土町役場何もなし

10月25日近江八幡市垂れ幕

「火天の城」のぼり

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