情報リテラシー 2018/05/01
しがNPOセンター
代表理事 阿部 圭宏
私事で恐縮だが、昨年からツイッターを再開した。それまでは、フェイスブックを多用していたのだが、やはり迅速に情報を得るには、ツイッターの方が圧倒的に便利だという判断による。140字という限られた文字数での情報発信とは言え、そこに書かれた内容を確認しながら、落とし込んでいく作業が自分に合っているように思う。ただ、他のユーザーのツイート(つぶやき)を自分のアカウントから再発信する「リツイート」が多いので、フォローしていただいている方には迷惑かもしれない。
ツイッターやフェイスブックをやっていると、2つの媒体の違いに気づく。フェイスブックは基本的に実名だが、ツイッターは匿名の方が多い。フェイスブックは近況報告や友達同士での話題のやりとりのような感覚だが、ツイッターではキャラクターを作っての投稿という場合もあるので、双方を使い分けている方も多い。使い勝手や好き嫌いなどで、一方しか利用していない人もいる。
当然、ツイッターやフェイスブックには、投稿のルールがあり、それに違反するとアカウントの凍結、停止ということになりかねない。特にツイッターの場合は、過激な投稿も多く、誹謗・中傷であったり、あるいは、フェイクとも思われるような投稿もある。ネットだから気軽に投稿してしまうこともあるのかもしれないが、場合によっては、アカウントの凍結だけでなく、犯罪として捜査の対象となったり、民事で損害賠償請求をされる場合もある。
これは何も投稿した方だけの話ではない。投稿をリツイートした人にも同じような責任が伴う。ただ、実際にリツイートした人には、そんな意識は少ないだろう。だから平気でできるとも言える。一方的な反対意見の人を貶める投稿が、何万回もリツイートされているという現実もある。最近の例では、財務省の事務次官のセクハラ問題だ。本当がどうかは分からないが、被害を受けたとされる記者の名前がネットで拡散されるとともに、ここに輪をかけた投稿がなされて、まさに二次被害という現象が起こっている。
ネットでの情報をそのまま信じてとんでもないことを投稿するというのでは、この情報化時代に遅れてしまう。膨大な情報の中から必要な情報を抜き出し、活用する能力を持つこと、すなわち、情報リテラシーが求められている。そのためには、ネット以外の情報、新聞、雑誌、単行本などを読み比べ、自分としての理解を深めるしか道はないように思われる。
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