2017年12月01日

コーポレート・ガバナンス

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• 近江八幡市

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                     代表理事 阿部 圭宏

 大手企業の不祥事が後を絶たない。ここ2ヶ月余りだけでも、日産自動車、スバル、神戸製鋼所、東レの子会社、三菱マテリアルの子会社と有名企業が名を連ねている。日本の製造業に対する信頼は揺らいでいて、このままで本当に大丈夫かという感じがする。古い話で恐縮だが、筆者が学生時代の恩師は、日本の製造業に信頼を置いていて、学生にメーカーへの就職を勧めていた。ものづくりの世界では、日本礼賛神話がずっと続いているが、今後どうなっていくのだろう。

 ものづくり以外でも、大きな問題となっているのが電通やNHKで起こった過労死で、企業が抱える大きな負の部分である。企業では、社会貢献、CSR(企業の社会的責任)という言葉が定着している。一般的に大企業にはCSRの担当部署はもちろんのこと、コンプライアンス(法令遵守)の担当部署も設置されていて、建前上は不祥事がないような対策が行われているということになっている。消費者庁は、「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」を2016年12月に公表しているので、企業もそれなりの対応がされているはずである。

 しかし、不祥事が起こるたびに、一向にこうした企業体質は改められていないことが白日のもとに曝されている。ここで問題にしている企業体質は何も日本だけということでもないのかもしれないが、気になる言葉として挙げておきたいのが「コーポレート・ガバナンス」という言葉である。

 コーポレート・ガバナンスは、アメリカ的な経営の中で言われてきた。アメリカでは、企業は誰のものかという議論で、所有者は株主なのであって、経営者の勝手な暴走は許されないという批判の中で、企業統治が考えられてきたと言う。コーポレート・ガバナンスを企業の意思決定に対して影響を及ぼす体制と捉えると、株主だけでなく、顧客、従業員、取引先、金融機関などの多くの利害関係者(ステークホルダー)の調整によって経営していくべきとの考えになる。

 社外取締役、外部監査などの仕組みを取り入れれば、コーポーレート・ガバナンスがしっかりと行われているということではないだろう。ステークホルダーがしっかりと企業を見ていくためには、情報開示を含めた仕組みが大切である。行政の中で使われるガバナンスには、「協治」という訳語が充てられていることからも、本来、ガバナンスには協力関係を築き上げる透明性が必要なのである。政治における民主的統制のようなものを企業社会に求めることはできないだろうか。

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