三国（福井県）森田銀行

福井県三国町にある森田銀行は、１８９４年（明治２７年）に設立されました。
三国町は、福井県の北西部、九頭竜川の河口周辺に位置していた町で、かつての北前船の拠点であり現在は越前がにやアマエビなどの水揚げや東尋坊で有名な港町です。港付近の狭い路地には昔ながらの町並みがあります。

森田銀行は北前船の廻船業であった森田家当主の森田三郎右衛門によって設立ました。１９０３年（明治36年）に株式会社組織に改組され、金融恐慌を受け、福井銀行に合併され、歴史の幕を閉じました。

建物は1920年（大正9年）に完成した鉄筋コンクリート造2階建の近代建築。福井県内に現存する最古の鉄筋コンクリート造りです。

設計は横浜町会所（現・横浜市開港記念会館）や長崎県庁を手がけた山田七五郎によるものです。

天井には豪華な漆喰模様を施す一方、建物外観は茶系のタイル貼りで西洋の古典主義的デザイン。国の登録有形文化財として保存されています。

建物の造りを見てみると当時の繁栄が思い起こされます。