御池めぐり木曽御嶽山
2009年09月07日

御池めぐり木曽御嶽山

N

nonio

• 野洲市

詳細

日付 2009年8月22日~23日
山名 木曽御嶽山
コースタイム  22日 野洲駅 6時30分 中津川 田の原 12:30 石室 13:30
               王滝頂上山荘 15:50(泊り)
          23日 王滝頂上山荘 6:00 剣ケ峰 6:45 賽の川原 7:30 
               五ノ池 9:00 女人堂 12:00 中ノ湯 13:35
地図

 標高3067mの霊峰「御嶽山」は、長野県南西部に位置し、日本百名山の一つにも数えられています。他のアルプスの山々には属さない独立峰で、広大な山麓を持ち量感に溢れていると同時に、信仰の山でもあります。
                 田の原登山口から木曽御嶽山の全貌を望む

 今回は、御嶽山登山の定番「王滝ルート」を辿り、剣ケ峰から古代噴火で出来た二ノ池、三ノ池、四ノ池、五ノ池などの火口湖廻りをして黒沢口に戻る1泊2日コースのSクラブに参加しました。

 チャーターしたバスは、名神高速から中央道中津川ICを通過し、国道19号の元橋から県道256号を走り、田の原天然公園駐車場に向かった。車窓から御嶽山の山容が見え隠れするところまで登ってくると、道路の両側には、森林帯の所々に立派な霊神碑を見かけた。霊神碑は普通のお墓とは少し違うようで、醸し出す雰囲気には威厳があって恐れ多さを感じた。ここは、古くから神々のいる信仰の山に踏み入ったようだ。

 登山口となる「田の原」の御嶽観光センターの前で下準備を行い、御嶽山の威容を正面に眺めながら歩き出した。登山客、白装束の信者、スーパートライアスロンの若者、中には子供連れの観光客など様々の人達と混じった出発となった。これから神社に参拝するような気分で大きな鳥居を潜り、砂利が敷かれた平坦な道を進んでいった。

 大江権現から階段状の登りが始まった。目指す山頂がハッキリ見え、登山口田の原から王滝頂上小屋まで標高差740mと分かっているので、力配分が出来やすい。ただ、今夜の王滝頂上小屋の標高2920mと高く高山病の恐れもあるので、できるだけ時間をかけて登ることになった。
 金剛童子像のある石室にやって来た。この辺りになると、軽装の観光客はさすがにいなくなり、時折スーパートライアスロン用の出で立ちをした身軽な若者は、追い抜いていったが、重いザックを背負った登山客とは、抜いたり抜かれたりしながら登っていった。振り向くと、田の原の出発点が既に遠のき、かなり登ってきたことを実感した。
 九合目近くの左側には、ひと口水と呼ばれている清水が湧いていた。ひと口頂き、更に火山礫のザレ場を登り、避難小屋を過ぎると王滝頂上山荘が頭上に迫ってきた。ここで高度調整も兼ねて後続者を待った。

 王滝頂上山荘で一泊した。酒盛りも悪影響をしたのであろう。夜中、目が覚めると頭が痛くなっていた。多分寝た姿勢が胸部の動きを圧迫し、呼吸が浅くなったのであろう。翌朝、頭痛を訴え、寝苦しかったと言う人が、以外に多かった。3000mになると血中酸素濃度 が低下するのであろう。

 次の朝、王滝神社を通り抜け、すこし平坦な登山路を進み、黒い行者像から剣ガ峰を目指した。強風に見舞われながら、御嶽山頂剣が峰(3067m)に達した。神社にお参りをして展望を楽しんだ。 

                   王滝神社から剣ガ峰を望む

 火口湖二ノ池~五ノ池めぐりに出向いた。階段を下り、頂上山荘の間を通り抜けて稜線に出た。雲間から朝日が射し込む光景はすがすがしい。見入っていると眼下に懐かしい開田高原を見つけた。

 御嶽山では、思い出したくないこともあったが、濁河温泉から御嶽山を経由して開田高原に抜けていったことがあった。9月だった。アケビ、野ぶどう、野いちご、小さい野生の梨・りんご・もも・すもも…など高原の秋は自然の恵みでいっぱい。あれもこれもと片っ端から食べていった。頂上周辺の様子の記憶は全くなく、開田高原の川ベリで過ごしたひと時の映像が甦っていた。

                    朝日が射し込む光景に開田高原



コバルトブルーをした二ノ池にやってきた。雪渓も残る標高2905mの日本最高所の高山湖。
                 日本最高の所にある二ノ池

 二ノ池のふち付けられた山道を下っていくと二ノ池新館にやってきた。この小屋のおじさんによると「数日前から賽の川原に下っていく途中で、子供連れライチョウが時々現れる」と聞き、膝までの高さのハイマツを驚かせないように慎重に下っていったが、出会うことはなかった。賽の川原まで下り、更に上り返して避難小屋で一服した。摩利支天の手前の急斜面を下って五ノ池小屋にやってきた。五ノ池は水も少なく、水溜りのようだった。
 尚、五の池小屋前の温度計は10℃。真夏に拘わらず寒く、やはりここは「木曾の御嶽さんナンジャラホイ夏でも寒いヨイヨイヨイ…」 。

                  五の池小屋前から五ノ池

 三ノ池の水深は御嶽山最大の池で、日本の高山湖の中でも最も深い湖(最大深度約13m)として知られています。この火口湖は、神秘的な深い青色をしていた。酸性の強い水で腐ることがなく、ご神水として信者の間で崇められています。御池めぐりの中で、規模と言い姿が最も美しかった。
              麻利支天手前のガレ場から三ノ池を望む


 五ノ池小屋から飛騨頂上を通過して、三ノ池を囲むようにした尾根を時計回りにぐるっと回って三ノ池避難小屋に向かった。途中、盆地状の四ノ池は、今までと違い、水が涸れていますが、真ん中に小川が流れている川筋が見られ、緑豊かな高層湿原になっていた。この背後にはなだらかな継子岳が控え、継子岳頂上を目指している数人の米粒のような人影も確認できた。また、この四ノ池から流れ出る水は、滅多に見られない幻の巨大滝といわれ、落差90mの大きな滝となっているらしい。円形の火口壁に囲まれた四ノ池は、東端が切れて水を溜めることなく、滝となって落ち、御岳ロープウェイ駅からしか見ることができないらしい。

 一台のヘリが、我々の頭上近くまで接近してくれて、歓迎してもらった。

                      高山植物が豊富な四ノ池

 御嶽小屋から四ノ池を眺めながら、三ノ池周辺の山並みを一周して、三ノ池避難小屋にやって来た。ここから、開田口コースと分かれて腹を巻くように延々と延びている黒沢口コースで下山にかかった。このコースは、覚明行者によって開かれたと言われている古山道。山肌に無理なく付けられた味わい深い山道であった。崩壊地の桟橋、雪渓を渡り、まじかに迫る乗鞍岳、その背後の北アルプス、更に南アルプスの山並みを堪能した。

 森林限界を抜けると八合目金剛堂に着いた。八合目は女人堂ともいわれ、明治時代まではここが女人結界であった。俄かに人出が多くなった。さらに、中ノ湯にと進み今年の夏山は終わった。

                     腹を巻くように付けられた 黒沢口コースで下山

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