春を告げる福寿草の霊仙山
日付 :2010年3月28日(日)
山名 :霊仙山
コース:今畑登山口8:20 笹峠9:00 近江展望台10:10
最高点山頂11:40~12:10 霊仙山12:30 経塚山12:45
お虎ケ池13:05 汗拭き峠14:10 今畑登山口 15:00
春を告げる福寿草に逢うため、鈴鹿山脈の最北端に位置する霊仙山へ行った 前日の彦根の天気予報では、午前30%午後60%雨の予想にも拘わらず、福寿草を求めて続々と人々がやってきた。国道306号線から、河内風穴に通じる狭い芹川沿い県道17号を通って廃村今畑までやってくる人は、西南尾根に福寿草が群生していることを知っているようだ。
県外の観光バスまで入り込んでいた。この谷間に付けられた道路は身動きの自由が利かない前進のみである。驚くほど狭い。唯一バスがUターンできる箇所は一箇所だけだ。表示されている。

笹峠を通過していくと、低い潅木と笹地の岩肌になった。この辺りの雑木には、琵琶湖から水分を含んだ寒風に晒され樹氷が咲いていた。ここは、平地と違ってまだまだ厳冬期の様相である。
あまりにも急登であるので、辺りを眺めながら休み休み上り詰めていった。風の吹さらしの草陰に、可憐な真っ白なミスミソウが咲いていた。天気予報の見事な外れを喜んでいいのかどうか複雑な気持ちであるが、存在感のある独特の山容をしている御池岳を見ることができ望外の喜びであった。
近江展望台辺りから、石灰岩が露出した稜線の西南尾根に出た。ここからは、緩やかな起伏が続く尾根筋になった。雪が積もったところでは、まだ、つぼみだが、雪が融け岩肌の日溜りのあるところではわれ先に咲き始めていた。
福寿草は春を代表する花である。一番に春を告げる草と言う意味から「福告ぐ草」と言われた。その後、「告ぐ」はごろが悪いので、おめでたい意味を込めて「寿」に差し替えられた。この花びらはまばゆい黄色であったので、黄金色の花を「こがね」に見立てて、お金にあやかたりという気持ちを含めて早春に飾られたそうだ。そのため元日草とも一日草とも言う。福寿草にとっては、どちでもよい話であろう。
江戸時代より好まれ育てられ店頭でも見かけられる福寿草は、どうも物足りない。野生に咲く福寿草は、足腰ががっしりして力強さがある。まして、この極寒の地にやってきて、はじめてこの山野草の持っている「生命力」を感じとることができるのだ。


1094mの最高点を始めとして3つの霊仙山の峰々が連なっている。それぞれ1094mの最高峰、1084mの三角点のある峰 、そして1040mの経塚山がある。霊仙山と呼ばれているのは三角点のある峰である。
最高峰がこの山域で最も高いところなのだが、三角点のある峰に立ってみると不思議と辺りの山が低く見える。これら3つのピークからなる頂稜部は雄大な山容をなし、カルスト地形の山特有のカレンフェルト(溶食により石灰岩台地の表面に生じる溝(みぞ)状の地形をカレンという)が点在するなだらかな丘陵が広がっていた。
「霊仙山」と言う山名からして古い歴史が醸し出している。単に「霊山」と云えばよいのに「仙」が追加されていることが気になる。三角点のある本峰の付近には、遺構もないが「霊仙寺」があった言い伝えがあり、「経塚山」には、その寺院にあった経典が埋められているとも言われている。
この霊仙山について調べている人の話では、「新たな伝説が今まさにできつつあり、今後言い伝えができそう」と楽しげに語っていた。



帰路は眼下の経塚山から、お虎ヶ池、汗ふき峠をへて今畑に戻るコースを取った。多くのヒトが入山していたので、山道はぬかるみ、泥んこ状態だ。下りではなおさら転びやすい。一旦転ぶと女性も見るも哀れな姿となり、口もかけられないほど泥まみれとなり、どうしょうもない。
今畑登山口に戻ると、山靴を洗うのに一苦労したが、さすがベテランT氏は長靴。
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