落ち葉が敷き詰められた千頭岳・音羽山
2012年12月18日

落ち葉が敷き詰められた千頭岳・音羽山

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nonio

• 野洲市

詳細

日付:     平成24年12月8日(土)

山名:     千頭岳~音羽山

集合場所:   石山駅(JR)

コースタイム: 登山口~太平山(1.5) 千頭岳(0.75) 音羽山(1.5昼食含む)

         膳所駅(JR)(2.0) 

距離:     13km 

時間:     5.8hr

 近江大橋のたもとから眺めると、北から南へ向かって音羽山(593.4m)、千頭岳(600.0m)の山並みが見られる。大津の市街地街より近いところにあることから、多くのハイカー達が気軽に訪れている山である。滋賀と京都の県境に位置するこれらの山の稜線には、整備された東海自然歩道が通っており、山麓には、芭蕉が暮らした幻住庵、蝉丸神社、長等神社など史跡、社寺などに立ち寄ることができるバラエティに富んだコースもある。

 滋賀の住人としては、一度、この人気のある山に登って琵琶湖や大津、更に京都市街を展望しておきたいと思っていた。


            琵琶湖一周の際、近江大橋のたもとからの一望

 JR石山駅からバスに乗り込み「石山団地」で下車し、千頭岳~音羽山を縦走し、JR膳所駅を目指した。

「石山団地」バス停からこれから登る山並みを一望


 住宅街を通り抜け、張り巡らされた柵を一歩踏み入れると、違った世界があった。一瞬の出来事であったが、出迎えてくれたのは、数頭の鹿であった。目の前を一目散に駆け抜け山林の中に消えていった。人々が日ごろ生活を営んでいる住宅街を華奢な柵で仕切られた内側では、自然の素顔がそのまま残されていた。この落差には驚かされた。

 晩秋も深まり山眠る時期になった落葉樹の木々は、すっかり葉を落としていた。ほんの少し前まで 枝で赤く紅葉していた季節もあったのだが、今は、足元に手の平よりも広い落ち葉や細長いものが、折り重なり厚い層となって埋め尽くされていた。

 枯葉が、一枚、また一枚と風に吹かれて舞い落ちる。そんな情景を自分の人生に重ね合わせて秋の物悲しさやもののあわれを感じるものだが、これだけ多量に落ち葉で埋め尽くされているのを見ると、植物の見方も変わってくるものだ。

 夏場、せっせと光合成を行い、木を育てるために糖分をつくり続けた葉っぱであった。が、忍び寄る寒さを感じると葉の付け根に水分や養分を通さない層をつくるそうだ。そうして最後に葉を真っ赤にして燃え尽きてしまう。人は、紅葉を見て美しいというが、冬場の寒さを乗り切るために、自ら葉っぱを投げ捨て、自分を守っていく植物の力強さを感じてしまった。これからは、紅葉を見て秋の感傷に耽るだけでなく、むしろ、落ち葉を見て、「けなげだ」と思うようにしたい。


 落ち葉のじゅうたんを敷き詰められた道は行けども行けども続いていた。足を運ぶたびに、サクサクと心地よい響きがした。一歩足を出すことに音が微妙に異なり、サクサク、カシャカシャ、バクバク・・・いろんな音が奏でているようだ。

千頭岳(600m)にて一休みした


 音羽山からの展望は、高圧送線が南北に走り、目障りの極みになっているが、それ以上に素晴らしい眺めがある。この日は天気が定まらず、音羽山山頂に差し掛かったあたりから雹(ひょう)がぱらつき、視界が悪くなった。わずかにうす雲を通して琵琶湖、大津市内が垣間見ただけであった。

 音羽山山頂からの展望

音羽山山頂からの展望
音羽山山頂からの展望

 最も一般的なルートは、蝉丸神社を通り京阪大谷駅へ向かう道である。が、音羽山山頂から少し下ったところから、右側の尾根筋に入り、一路、名神高速道路の陸路を越えてJR膳所駅に出た。その途中、琵琶湖を遠望できる思わぬ光景に出くわし、暫し、そこに止まり見入ってしまった。このルートあまり利用されていないようだが、このあたりを熟知していた今回のリーダSA氏が提案されたものである。

 下山中、琵琶湖に架かる近江大橋を一望

 GPSのルート図

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