カラスにもて遊ばれたスイカ
2010年08月23日

カラスにもて遊ばれたスイカ

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nonio

• 野洲市

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 畑の近くには、何羽のもカラスが一列になって電線にとまっています。小生に無関心であるかのようなしぐさなのですが、実は小生を監視しながら、行動の時期を窺っているのです。

 小生の畑での作業が終わり、その場を離れるやいなや飛来し、何かと物色しています。ヒトもカラスも自然界で暮らす生き物です。お互い何かを食べなければ生きていけないので、「少しぐらい食べられても仕方ない」と寛大でした。

 だが、今年は、これほど憎憎しいと思った事がないのです。スイカを栽培するには、植え付け、施肥し、そして毎日水遣りと何かと手間がかかります。それも長い期間丹精を込めて、育てなければならないのです。日に日に大きくなっていくのを眺めては、楽しみにしていたのに。

 行儀よくひとつずつ食べるのは、多少許されるのですが、食べもしないで、あっちこっちのスイカを突きまわして、遊んでいくから腹が立ちます。その結果、5ケとも全滅させてしまいました。前日までは、問題なかったのですが、翌日、一日にして駄目にしてしまいました。

 最近の熱帯雨林のような”うだる暑さ”になり、カラスも気が狂ってしまったようです。トマト、キューリを手当たりしだいにつまみ食いし、ネギの苗まで引っこ抜き、やりたい放題です。ここまで荒らされると「あっぱれ」としか言いようがありません。

 ところで、カラスの攻撃に対して無防備ではありませんでした。古老に教えてもらったもので、スイカ畑の3.5m四方に、支柱を立て1mぐらいの間隔に、釣り糸(防鳥糸)を張る方法です。

 カラスは羽根を大事にしており、羽根が少しでも糸に触れることを極度に嫌います。したがって、防鳥糸に間隔があってもいいのです。この方法により、何年もやってきたのです。

 突如、今年になって、防鳥糸を潜ってスイカを食いあらされました。釣り糸のわずかな隙間を見出し、中央まで入りこんできたのです。以前から、カラスは観察力があり学習能力を持っていると言われていましたが、見事の突破されてしまったようです。

 カラスは、生物の基本である「食べること、種の存続」だけでないないようです。人間の生活圏に入り込み食べ物に余裕があり、遊びを知っているようです。この遊びは、人間だけの特権と思っていました。が、カラスにも、生物として生延びる術以外の遊びと言う行為を知っているようです。

 2001年、英科学専門誌ネイチャー誌に、ニューカレドニアに棲息しているカラスが報告されたことがありました。「カラスは棘のあるパンダナスという植物を使い針金の先をかぎのように曲げて道具を作り、木の穴に突っ込み中にいる虫に引っ掛けて引きずり出し食べるのです」

 その後、2002年8月9日朝日新聞には、「カラスが針金の先をかぎのように曲げて道具を作り、筒の中にある餌を釣り上げることを英オックスフォード大の研究グループが発見し、9日付の米科学誌サイエンスに発表する。このカラスは、グループが飼っているメスのニューカレドニアカラス」との報道がされました。

 このように、カラスは、同じことを繰り返す事ができる学習するだけの能力だけでなく、パンダナスという植物から針金の先をかぎのように曲げた道具まで飛躍させる知力を持っているようです。

 昨年、南京豆の黄色い花が開花後、子房柄が土中に入り、収穫間際に殻を掘り出しました。この二の舞を避けるため、しっかりと網を購入し被せ完全武装とし、一粒もやらない覚悟です。

 カラスは道具の製造・使用能力に関して石器時代の人類に匹敵するほど進化しているとした観察報告を掲載されています。 言い換えると、「道具に関して、石器時代の以前の人類より現在のカラスの方が優れている」と言う頭脳の持ち主なのです。この相手と知恵比べをしょうと思っています。
美味しいスイカの作り方

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