十二坊 (岩根山)から三上山を望む
岩根山( 標高405.1m)は、古くは石根と書き「いわね」と呼ばれていた。この山は、支流思川が野洲川に流れ込むあたりの北側に位置し、川沿いに沿って横に長く延びている余り高くない山並みである。この山の全貌は、JR草津線の車窓から眺めるとよく分かる。草津駅の次の駅手原駅から三上山・菩提寺が見え、甲西駅までくると、正面の山にアンテナ群が見える。これが岩根山である。
小生、野洲川流域の山麓に点在する菩提寺・花園・岩根などの集落には、道標探しで何度も足を運んだ。そのついでに、由緒ある善水寺をはじめ磨崖仏も尋ねることがあったが、なぜか、岩根山の頂上を踏み入ることがなかった。
山仲間のK氏は、ここ湖南市をフイールドとして活動している。彼の地図によると、岩根登山に関わるコースが5ツあるようだ。今回は、「十二坊温泉ゆらら」前の駐車場を出発して十二坊温泉コースから頂上に至り、東屋から展望台を経て林道を伝って戻ってくる3時間弱の散策コース。コース図をクリックすると拡大
1時間ほど登りつめると、花崗岩が露出した眺望の良い頂上にやってきた。かつての記録では、この辺り山塊は寺の領地で、宿坊名もはっきりした十二の僧坊があった。天台宗の僧侶の住居で、一坊には数名の者が生活をしており、かなりの僧侶が修行していた。しかし、坊跡もわからず、名前だけ伝わっている。この名残として地元の人たちは、「十二坊」と親しみを込めて呼んでいる。我々も岩根山と言うより、「十二坊」と言うほうが分かりやすい。
このように呼ばれるのは、この山の中腹には天台宗の古寺の善水寺、立派な不動磨崖仏も見られ、この地域の人々から信仰の対象として崇められたのであろう。
あいにく天気が優れなかったが、眼下には、野洲川流域で家並みが点在し、飯道山・阿星山の山々が曇りながらも一望できた。ここは、展望もいいので、正月には山仲間はご来光を拝むため来ているところでもある。
西の方向には、円錐形の三上山を眺めることができ、幸いであった。


近隣の山々から三上山を眺望
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