ジャガイモ自前の種芋3年/きたあかり
私達は、生きとし生きている命をもらって生きています。肉や魚が食前にならぶと、「そうか」と、納得することがあります。でも、野菜や果物を頂く時には、何も思わないようだ。
植物も生きているのです。野菜などを育てていますと、その生命力のすごさを肌で感じられます。春になると段ボールに保管していた萎びたジャガイモは次の世代に命を繫ぐため、われ先に新芽を伸ばしてきます。このエネルギーの溢れる姿を目にすると、打ち捨てて置けないのです。
3月14日段ボールに保管していたジャガイモ(きたあかり)

1~2本勢いのよい芽を残す

さて、自分で作ったジャガイモを種イモとして、病気になったり、矮小化することなしに、3年間以上続けています。
一昔前のジャガイモ栽培は、自前の種イモを使われていました。殺菌処理など一切せず、精々種の切り口に灰をつける程度でした。現在では、検査済みの種イモを使用する必要があると言われています。ウィルスに感染されたジャガイモを種芋にしますと、畑全体に病気が蔓延してしまい、収穫どころではなくなり、相当長期間ナス科がまったく作れなくなってしまうと、本気で脅かされています。
確かに、ジャガイモはウィルス病、細菌、害虫といったものに弱く、アブラムシなどによって葉っぱが黄色くなったり、芽や葉が枯れてきたり、下葉がスプーン状になったり、葉の裏表が黒褐色に変色したりします。種イモとして購入したものでも、どんな処理が施されているのか知りませんが、このような異常な株が発生したことが多々ありました。ですから、処理されたジャガイモと言われても、私は全面的に信用していないのです。
育て方として、決して植えっぱなしにしていません。葉っぱの様子や茎の生長状況を丹念に見て回ります。葉っぱの異常が見つければ、1週間ほど様子を見て、悪化していけば、その株を引き抜くことにしています。だが、今回、幸いにも発育異常のものは全くありませんでしたが。
話が少しずれますが、「そうか病」と思われる病気に一度見舞われたことがありました。ほうれん草の後に植え付けたところのジャガイモは、収穫も悪く表面がガサガサになったことがありました。自前の種イモを使用したことが、原因かと思いましたが、土壌のpHが高かったのでしょう。無論、種イモにせず廃棄。その後、ほうれん草などアルカリ性になった後地には、ジャガイモを植えつけないように心がけています。
5月7日、2回土寄せを行い順調に生育

地割れも起こり、葉も黄色くなって、茎も幾分倒れてきたので、晴天日を選んで、収穫しました。
6月17日収穫


以前、色んな種類の、ジャガイモを栽培していましたが、今はホクホクした食感の「きたあかり」だけに絞って作っています。土地との相性もありますが、「男爵」に比べどうしても収穫量が2~4割ほど落ち、くず芋もできます。出来るだけ収穫時期を長くして、くず芋を少なくしたいのですが、あまり長期間置いておくと、幾らでも肥大化して、大味になってしまいます。したがって、食味を大事にして、収穫時期は若干早めとしています。
新じゃがの3㎝ぐらいのクズ芋を電子レンジで蒸し、うす皮をむいて、みずみずしい採り立ては、すこぶる美味しい。黄色いホクホクした品種「きたあかり」は格別。
3㎝ぐらいのクズ芋で一杯

自家製を種イモにすることはあくまで、家庭菜園の範囲の自己責任で行うもので、推奨しているわけではありません。何年も同じことを繰り返すとジャガイモが小型化したり、ウィルス性の病気に感染して生育が悪くなったりします。その様な場合には、しっかりとした信用のある国の検査に合格した「合格証票」のついた新しく種イモを入手したほうがよいかと思います。私も来年春は考えますが、どうなることやら?
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