雑草の中で育てる美味しい野菜
長年、家庭菜園をやっていても、新たな発見があるものだ。
2~3年前、畑をしている古老に「草が生えたところのフキは美味しい」と聞いたことがあったが、それほど気に留めずに聞き流していた。
昨年、10月20日、二重ビニールテントを施し、ほうれん草・ミズナを播種し、チシャは苗を植付けた。2月初めには、殆ど収穫し、少し出来の悪い野菜が残っていたが、生えかけていた雑草と共に、放置しておいた。
3月上旬、テントを外してみると、全面「はこべ」が生茂り、野菜も「すくすく」と育っていた。それも、生長が悪く放棄していた野菜だ。これだけの栽培期間になると、「とうだち」気味となり硬くなるのだが、「はこべ」と共生して、非常にやわらかい美味しそうな野菜になっていた。これには驚いた。



今まで、野菜作りの基本は、生えてくる雑草を刈ることから始まると決め付けていた。
雑草は肥料を吸収したり、日当たりを悪くすると思い込んでいた。もう少し考えてみると、雑草を除いた方が、農業を専業としているものにとっては、種まき、施肥、農薬などの作業が容易であり効率的である。このようなことから「雑草は取るものだ」という固定観念が浸透してきたのであろう。
一方で、雑草を刈ってしまった方が、害虫の害が大きくなるということや、色んな植物が生えている土は、病気にもなりにくいことも聞いたことがあった。実際、「雑草は抜かない方が良い」といって実践されている方もいる。生茂った雑草で野菜が包まれた状態である。ここで育てた「野菜は美味しい」といっていた。
小生、今回の経験では、美味しい葉物の野菜がとれることを身をもって実感した次第である。すくなくとも「雑草は抜いた方が良い」と簡単に言い切ってしまわないほうがよい。もうすこし試してみることにした。無論、雑草は、土にすきこみ、緑肥とする。
古老から、「畑はハコベが生えると一人前」と聞いたことを思い出した。
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