岩を抱え込んだ樹/三上山
2016年02月03日

岩を抱え込んだ樹/三上山

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nonio

• 野洲市

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岩を抱え込み、何年になるのだろうか大地まで根を張ろうと動けぬ僕は、ここで生き抜いてきた

太い強靱な根をした檜

     太い強靱な根の全体像           辺りの倒木

  三上山は四季を問わず、何時も青々とした山容をしているのは、常緑樹の檜が育っているからだ。この山中で、巨木でなく、過酷な条件下で育っている檜を探し求めた。その姿は岩をしっかりと抱き込み、太い強靱な樹根を大地にねじ込んでいた。

 生きとし生けるものの中で、樹は、動物のように、自由に移動できない。一旦、根を下ろしたところで、何があっても一生を全うする。与えられ環境に逆らうことなく、その中で、最善を尽くす。これが植物の生きる姿。

 光を求めて天を突こうとする巨幹をささえるために、樹根は力の限り四方へ広げているのであろうが、この急峻な地形では、少しの根の力のバランスを欠くと、倒木となっていた。

 この厳しい環境下で、落ち着きが備わったこの檜に近づくと、人と同じ生物として何かを伝えているようだ。

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