芦生の森下谷の巨木散策
2014年07月18日

芦生の森下谷の巨木散策

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nonio

• 野洲市

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 5月に中頃、無性に、巨木に出合いたいとの思いが嵩じて、”芦生の森”に出かけた。ここに行けば、古木・巨木に宿る精霊を感じ取れるかもしれないと。そして、すんだ緑の空気を吸いながら、心の底まで洗われてみたい。  
 芦生の森に入山するには何かと厄介な規制が設けられている。わずらわしいので、ネイチャーガイドの案内による下谷コース(ブナノキ峠939mー下谷ー長治谷間)に参加した。歩行距離約7kmを約4時間かけて散策した。 ここ「下谷」は由良川の最深部に位置しており、京都側の入口の美山からは遠いが、滋賀県側の生杉からは近いところだ。

 演習林の入口から芦生の森の中心部のケヤキ坂まで、マイクロバスにて運ばれた。内杉谷林道からケヤキ坂・杉尾坂まで林道が通じており、続々と山行の装いをした観光客が送り込まれていた。この内杉谷林道を歩いてケヤキ坂を目指しているのであろう人も見かけたが、わずかであった。

 ケヤキ坂は登山基地となって何台ものマイクロバスが駐車していた。
三叉路を「下谷」に向かって下って行った。この林道は長治谷作業所へ通じていた。左手のノリコの滝を過ぎると、ネイチャーガイドを先頭したグループが次々と川辺へと消えていった。我々グループも同じように細道を辿って渓流の川底に降りて行った。中央には渓流が流れているが、盛り上がった河床には、巨大なトチの木が何本も見られた。勝手な推測であるが、杣人は、巨木を求めたが、木も大事に育てた。こうした杣人によって、守り育てられてきた森なのであろう。そして、この谷に立派な巨樹が見られることから、長年に亘って穏やかな谷筋に違いないと思った。ここは「トチの木平」と呼ばれているところ。
 いつみても、トチの木はどっしりとした枝ぶりをしており、風格を実感させてくれた。 生きながらえてきた巨木には、自然とこうべをたれ、手を合わせてしまう。聖なる思いが湧いてくるのは、極自然なことである。期待していたとおり、精霊が宿っているように思えた。

 確かに、この一部の光景を切り取ると昔から変わらない原生林であるように思えた。が、この川底から川と平行に林道が見え隠れして、我々を見守っているようである。で、ネイチャーガイドがいくら懸命に大自然を力説されても、ここは既に神秘に満ちた場所ではなかった。 生まれたての若木であり、青年の木、老木そして天寿を全うした木など原生林を想像していたが、思いの外、「下谷」は俗化していた。

風雪に耐え抜いたトチの木

 やがて、一際大きいカツラの木が現われた。ガイドは「樹齢400年とも言われる下谷のカツラは、圧倒的な存在感を示した大木です。16種類以上の木が着生し、春にはその中のヤマザクラが花を咲かせます」と説明。芦生の森の最大のカツラで、保存木として指定されており、大勢の来訪者による根元の踏み固めを防ぐために周囲をロープで囲われていた。確かに大きいが、カツラが成長すると主幹が折れ、一本の茎の根元から複数の茎が分かれて、立ち上がっている姿が前々からどうも私にとっては気に入らない。行儀よく株立ちすればまだしも、あっちこっち不揃いの幹模様は、安定感がない。

 私の芦生の森への思い入れがきつかったかもしれない。

株立ちしたカツラ (桂)樹高 38.5m、胸高直径 340cm



最後に、(芦生研究林)入林禁止についての意見。 - Yahoo!ブログ - Yahoo! JAPANは同意見だ。
2011年05月30日 初めての芦生の森

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